2024年3月、神楽坂の「虎白」を再訪。
この日は現在の店舗へ移転する前。神楽坂3丁目にあった旧店舗でいただきました。
お店について
2015年には国内最年少でミシュラン三つ星を獲得。2024年のこの訪問時点まで9年連続で三つ星でした。
虎白は、石かわグループを代表する日本料理店のひとつ。


店主について
店主の小泉瑚佑慈さんは、石川秀樹さんが独立する以前から師事し、2003年の「神楽坂 石かわ」創業にも参加。2008年、石かわの移転を機に、その創業の地で「虎白」を開きました。
日本料理を土台にしながら、キャビアやトリュフなど、日本料理ではあまり使われてこなかった食材も取り入れる。その組み合わせが奇をてらったものにならず、一皿の料理としてきちんとまとまっているのが虎白らしさだと思います。
公式サイトでも「日本料理としての軸はぶらさないが、伝統を再構築する」という考え方が示されています。

この日の料理
春に向かう時期らしく、蕪やふきのとう、魚介などを使いながら、虎白らしい食材の組み合わせが続きました。
蕪のすり流しとふきのとう
なめらかな蕪の甘みに、ふきのとうの苦味を合わせる。季節感が分かりやすく、料理のスタートとしても印象的でした。

ふぐの白子

松葉蟹の真薯
澄んだ出汁に青菜と柚子

ふぐ刺身
ふぐの刺身にジュレを合わせた一皿。見た目にも虎白らしい料理。酸味や香味を使い、魚の味を重くせずにまとめています。

太刀魚の西京焼き
香ばしく焼かれた表面と、しっとりした身の対比がよく、端正な太刀魚でした。

ここから虎白らしさがより強くなります。
鼈の出汁氷に淀大根キャビア
キャビアが突然入ってくるのではなく、塩味や食感を料理の一部として使っている。そのため違和感がありません。

葱芹黒トリュフ
クリーミーな地に野菜と食材を合わせ、その上から黒トリュフ。香りは強いのですが、料理全体がトリュフだけにならない。

真鴨の虎白麺

穴子ご飯

甘味

Yummies View
今回の虎白で印象に残ったのは、日本料理の軸を守りながら、食材の組み合わせで料理の幅を広げていること。
河豚と鮟肝、聖護院蕪とキャビア、海老芋とトリュフ。
組み合わせだけを見るとかなり大胆です。それでも食べてみると、不思議と日本料理の流れから外れません。
一方で、車海老の真薯や虎白麺、のど黒の土鍋ご飯は、出汁や火入れをしっかり味わわせる料理。
華やかな食材に頼っているわけではないことがよく分かります。
蕗の薹、白子、河豚、鰤といった冬の名残を感じる食材が並び、少しずつ春へ向かう3月らしいコースでした。
旧店舗でいただいた最後の虎白。
小泉さんの料理の自由さと、日本料理としての確かな土台。その両方を改めて感じた一夜でした。





