最近、注目を集めている学芸大学。その学芸大学のイタリアン「caze(カゼ)」を初めて訪問しました。
お店について
お店は学芸大学駅から徒歩5分程度。駒沢通り沿いにお店はあります。大きな店名を掲げたサインボードも何も出ていないので、ここを目的として来ないかぎり、通り過ぎてしまうような外観。
もともと個人が使っていた民家を改装したお店だそうです。ガレージを店舗に、自宅をワインの保管場所としても使われているとのこと。

店内に入ると、白いテーブルクロスがかけられたテーブル席が並びます。内装はシンプルで、落ち着いた雰囲気。元ガレージという建物の成り立ちとのギャップが面白いところです。
今回はおまかせコースを予約し、ワインもペアリングでお願いしました。

シェフについて
オーナーシェフは細貝真吾さん。四谷のイタリア料理店「リストランテ スペッキオ」で修業を積み、2009年に三軒茶屋で「caZe uzumaki」を開業しました。
三軒茶屋では40席以上の店を約13年間営業。2022年7月に学芸大学へ移転し、店名も現在の「caze」に改めました。移転にあたっては、席数を16席ほどに減らし、料理とお客さんにより丁寧に向き合える店づくりを目指したそうです。
三軒茶屋時代には、鎌倉野菜を自ら買い付けるなど、素材選びにも力を入れていました。現在も旬の食材を使った料理を提供しています。
名物のラザニアは三軒茶屋時代から続く一品。今回もコースに組み込まれていました。長く続けてきた料理を大切にしながら、店の規模や提供するスタイルを変えてきた細貝シェフ。現在はご夫婦で店を切り盛りされ、とても料理は洗練されていますがアットホームな雰囲気です。
この日の料理
おまかせコースをお願いしました。

・生ハムとブラータチーズのカプレーゼ
・フォカッチャ
・蝦夷アワビの香草バター焼き
・トリュフのオムレツ
・ずわい蟹とサフランのパスタ
・名物ラザニア
・和牛のビステッカ
生ハムとブラータチーズのカプレーゼ
最初の一皿は、生ハムとブラータチーズにいちじくを合わせたカプレーゼ。生ハムの塩気とブラータのミルク感に、いちじくの甘みを合わせています。定番の組み合わせですが、それぞれの持ち味が生きる一皿です。

フォカッチャ
表面はこんがりと焼かれ、中はふんわりとしたフォカッチャ。ローズマリーを使ったシンプルな仕立てです。

蝦夷アワビの香草バター焼き
アワビの表面を香草バターで覆い、焼き上げた料理。香草の風味とバターのコクを前面に出した仕立てです。アワビそのものだけでなく、香草バターとの組み合わせを楽しむ一皿です。

トリュフのオムレツ
トリュフがたっぷりとのったオムレツ。卵の上には削ったチーズも散らされています。卵とチーズのコクにトリュフの香りを重ねた、濃厚な組み合わせです。

ずわい蟹とサフランのパスタ
ずわい蟹のほぐし身がたっぷりとのったパスタ。サフランを使ったソースは、魚介の旨みを生かした仕立て。蟹の甘みとサフランの風味を合わせています。ソースをまとったパスタに蟹の身が重なり、コースの中でも存在感のある一皿です。

ラザニア
お店の名物というラザニア。肉のソースとチーズを層に重ねた、厚みのある仕立てです。表面には削ったチーズと刻んだハーブ。肉の旨みとチーズのコクをしっかり楽しめる、食べ応えのあるラザニアです。

和牛のビステッカ
メインは厚切りの和牛。中心に赤みを残して焼き上げ、きのことピューレを添えています。肉の焼き加減が印象的で、ソースや付け合わせと一緒に楽しむ仕立て。コースの最後を飾る、しっかりとした肉料理でした。

いただいたお酒
最初はイタリアのビールからスタート。
Marechiaro Bionda

その後、赤ワインを中心にペアリングをお願いしました。
J. Hofstätter Meczan Pinot Nero 2023

Ca’ Liptra AMISTÀ 2022
イタリアの赤ワイン。ピノ・ネロとは異なるスタイルの赤として、ペアリングに組み込まれていました。

ピエモンテ州のバルバレスコ。ネッビオーロを使ったワインで、2015年のリゼルヴァ。熟成したイタリアワインがペアリングに登場するのは嬉しいところです。
Sorelle de Nicola Feyles Barbaresco Riserva 2015

Finitum Romagna Sangiovese Superiore

Zavalloni Solaris Sangiovese Superiore

ワインの種類も多く、料理とともにイタリアワインを幅広く味わいたい方には魅力のある構成です。
Yummies View
この店で心に残ったのは、料理だけではありません。
三軒茶屋で40席を超える店を長く営んだ細貝シェフが、学芸大学へ移り、席数を16席ほどに減らした。現在はご夫婦で店を切り盛りしています。店を大きくするのではなく、お客さんと料理に近い形を選んだことが、店内の温かさにつながっているように感じました。
ペアリングも決められた順番ではなく、赤ワインを中心に飲みたいという希望に合わせてもらいました。こうした柔軟さは、小さな個人店ならではの魅力です。
生ハムとブラータから始まり、アワビ、トリュフのオムレツ、ずわい蟹のパスタ、名物ラザニア、和牛まで。食材も豊富で、食べ応えのあるコースでした。
料理はバターやチーズ、肉のソースを生かした、比較的オーソドックスなイタリアン。素材の組み合わせもわかりやすく、しっかりとした味わいが中心です。
今回は赤ワインを中心にペアリングをお願いしました。ピノ・ネロから熟成したバルバレスコ、サンジョヴェーゼまで、イタリア各地のワインを楽しめました。決まったペアリングにこだわらず、こちらの好みに合わせて柔軟に対応していただけるのは嬉しいところです。
お店はご夫婦で切り盛りされています。落ち着いた雰囲気の中にも、個人店ならではの温かさが感じられます。こうした柔軟な対応も、ご夫婦で営むお店の良さなのでしょう。
料理、ワイン、サービスのバランスがよく、気取らずに食事を楽しめる一軒。外からはレストランに見えないという意外性も含め、印象に残る訪問でした。
次回も赤ワインを中心に、ペアリングで楽しみたいと思います。






