銀座8丁目の「青空(はるたか)」へ。
東京には予約の難しい鮨店がいくつもあります。その中でも青空は、長くトップクラスの評価を受け続けている一軒です。
2006年の開店以来、銀座を代表する鮨店として評価を積み重ね、ミシュランでは三つ星を獲得。The Tabelog Awardでも長年高い評価を受けています。
新しい鮨店が次々と生まれる東京で、これだけ長く第一線にいる店は多くありません。
私は数年前から通うようになりました。
常連の中には、高橋さんを親しみを込めて「はるちゃん」と呼ぶ人も多くいます。
一方で、カウンターのセンターポジションに座れる客は限られています。
予約が難しいだけではなく、長く通う客との関係も含めて、この店ならではの世界があります。
青空の鮨は、最近の高級鮨に見られる華やかな演出とは方向が違います。
圧倒的に質の高いネタに、酢をしっかり効かせた硬めのシャリを合わせます。
シャリは米粒の輪郭がはっきりしていて、少しアルデンテにも感じます。
ネタが強い。シャリも強い。
この組み合わせが、青空の鮨をはっきり特徴づけています。
お店について

銀座8丁目。
店内は白木のカウンターを中心としたシンプルな造りです。
明るく、余計な装飾はありません。
高級鮨店ですが、店内に過度な緊張感はありません。高橋さんを「はるちゃん」と呼ぶ常連も多く、長く通っている客との距離は近いです。
客層はかなり特徴があります。
銀座という場所を考えても、明らかに富裕層が多い。海外からの客や、長く通っている常連も目立ちます。
一方で、銀座の高級店でよく見かけるクラブの女性を伴った客は、意外なほど少ない印象です。
接待の場というより、鮨そのものを目的に通っている客が多い。
カウンターのセンターポジションに座れる客も限られていて、予約の難しさだけではない、この店独特の常連文化があります。
大将
店主は高橋青空氏。
北海道・札幌の「すし善」で修業した後、東京へ。「すきやばし次郎」で小野二郎氏のもと約12年間修業し、2006年に独立しました。
青空で印象的なのは、高橋氏が今も毎朝市場へ足を運び、自分で魚を見ていることです。
これだけの店になっても、仕入れを人任せにしない。
青空のネタの強さは、ここから始まっています。
鮪、雲丹、貝、海老。どれも質が高いですが、それは単に高価な素材を集めているという話ではありません。
その日の状態を見て、使う魚を決め、仕込みを変える。
鮨屋として当たり前のことを、非常に高い水準で続けています。
握りにも、高橋氏が長く修業した「すきやばし次郎」の流れが見えます。
ネタの切り付け、温度、シャリ、握り。やっていることはオーソドックスです。
そこに青空独自の、酢の強い硬めのシャリが加わります。
この日のおまかせ
この日も数品のつまみからスタート。
火入れや薬味は控えめで、素材を前に出す料理が続きます。








いい感じに日本酒が進んだところでにぎりへ。
いか
青空の握りは、いつもいかから始まります。ねっとりしたいかに、硬めで酢の強いシャリ。最初の一貫で、青空のシャリの特徴がよく分かります。

さより
淡い味のさよりでも、シャリの存在感はしっかり残ります。

まぐろ三連奏
ここから鮪。赤身、中トロ、大トロと続きます。
毎回、青空で印象に残るのが、このまぐろ三連奏です。
赤身は旨味と酸味があり、中トロから大トロへ進むにつれて脂が強くなります。
それだけ脂が増えても、酢を効かせたシャリが負けません。
三貫を続けて食べることで、青空のネタとシャリの関係が一番よく分かります。



コハダ
小さい魚体をきれいにまとめています。

車えび
温度を残した車海老。にぎる直前にゆで上げます。
甘みと香りがしっかりあります。

小柱
小柱は歯切れがよく、貝らしい甘みがあります。

いくら
いくらは粒がしっかりしています。

雲丹
雲丹も素材の質の高さが分かりやすい一貫です。
最初は握りで。

もう少し食べたくなり、おかわりは軍艦でお願いしました。

あじ
脂はありますが重さはなく身のうまみがはっきりしています。

穴子
青空の穴子にかなう穴子は存在しません。
柔らかいものの、身は崩れすぎません。煮詰めも甘さを強く出さない仕上がりです。

穴子はおかわり必須。

とろたく
最後にとろたくを追加。
鮪の脂と沢庵の塩気、食感。締めにはこのくらいシンプルな方がいいです。

玉子
最後はカステラのような玉子で終了です。

Yummies View
この店の訪問記
- 銀座|青空|銀座の鮨を代表する一軒
- 銀座|青空|5度目の訪問。鮪とシャリ、忘れられない穴子

青空の一番の魅力は、ネタの質とシャリの個性です。
鮪、雲丹、貝、海老。
ネタはどれもトップクラス。
その背景には、高橋氏が今も毎朝市場へ出向き、自分の目で魚を見ていることがあります。
そこに、酢を強めに効かせた硬めのシャリを合わせます。
米粒の輪郭が残る、少しアルデンテに近い食感です。
ネタが強い。シャリも強い。
特に鮪では、その組み合わせがよく分かります。
青空は、華やかな演出や新しい技法を前に出す店ではありません。
良い魚を仕入れ、適切に仕込み、強いシャリで握る。
極めてシンプルです。
その水準を長く維持していることが、青空の強さだと思います。