金沢の「乙女寿司」へ家族で定期訪問。金沢に来ると、ほぼ毎回予定に入れている店です。
The Tabelog Award 2026 Bronze、食べログ 寿司 WEST 百名店 2025にも選ばれている名店です。
能登を中心とした北陸の魚介を軸に、素材に合わせて丁寧に仕事をする。一貫だけを取り出して強い印象を残すというより、つまみから握りまでを通して満足度が上がっていく。何度通っても安心して任せられる寿司店です。
お店について
乙女寿司は金沢市木倉町。
香林坊から歩ける距離にあり、大通りから少し入った場所にあります。

店内はカウンターを中心とした落ち着いたつくり。

大将について
大将は鶴見和彦さん。
金沢出身で、16歳から寿司の世界に入り、29歳で先代から乙女寿司を継いだ職人です。
鶴見大将の仕事を見ていると、動きに無駄がありません。
包丁を入れ、魚の状態を確認し、その日のネタに合わせて仕事を変えていく。
握りも強く形を作るというより、手の中で軽くまとめていく印象です。
以前のインタビューでは、寿司の中で「一番難しいのはシャリ」と話しています。
乙女寿司の握りを食べると、この言葉はよく分かります。
接客も自然です。
必要以上に話しかけることはありませんが、こちらから話せば柔らかく応じてくれる。
何度も通う客にとっては、この距離感も心地よいところです。

この日のおまかせ
この日も、能登を中心とした北陸の食材が並びます。
つまみから握りへの移り方が自然で、食べ進めても重さが残りにくい。このコース全体のバランスは、乙女寿司の良さだと思います。
特に印象に残ったのはキンキ。
脂はしっかり乗っていますが、食後に重さを残しません。火入れも良く、脂の甘さと身の旨味がきれいに出ています。
握りでは、クルマダイの昆布締めが良かった。
昆布の味を強く乗せるのではなく、魚の旨味を補う程度。白身の持ち味を残した仕上がりです。
こはだも好みでした。
締めすぎず、酸を前に出しすぎない。中トロの後に入ることで口の中が切り替わり、その後のあじ、のどぐろへきれいにつながります。
のどぐろは脂の乗りが十分。
それでも重たく感じさせないのが乙女寿司らしいところです。脂の強さだけに頼らず、シャリとのバランスも取れています。
そのシャリも、この店を特徴づける要素です。
赤酢を強く効かせるシャリや、白酢の酸をはっきり出すシャリとは対照的。酢の主張は穏やかで、握りはかなり軽い。
以前はカウンターに置かれた握りが、ふっと沈むほどエアリーでした。口に入れるとネタとシャリが一緒にほどけていく。この軽さが乙女寿司の握りによく合っていました。
今回は以前よりシャリが少し小ぶりになった印象です。
軽さは残っていますが、以前感じていたエアリーさはやや弱くなったように感じました。この点は個人的には以前の方が好みです。
最後はうに軍艦、うなぎときゅうりの手巻き。
ネギトロ巻きを追加して、もずくの味噌汁で終了しました。
茶碗蒸し

ひらめ

あかいか

がすえび

かき

まぐろ

長崎紫雲丹


かに

あなご

ぶり、かぶ、甘海老、麹煮

キンキ

白甘鯛

クルマダイ昆布締め

甘エビ

中トロ

こはだ

あじ

のどぐろ

バイ貝

うに軍艦

うなぎきゅうり手巻き

ネギトロ巻き(追加)

最後にもずくの味噌汁。
Yummies View
この店の訪問記
- 金沢|乙女寿司|能登の魚と軽やかなシャリ、流れで楽しむ金沢の寿司
- 金沢|乙女寿司|冬の北陸を味わう軽やかなシャリの鮨

何度も通っていると、その店の良さだけでなく、小さな変化にも気づきます。
今回のシャリには少し変化を感じましたが、乙女寿司の軸は変わっていません。
能登を中心とした魚介。
素材ごとに入れる丁寧な仕事。
穏やかな酢加減の軽いシャリ。
そして、つまみから握りまで無理なく食べられるコース構成。
東京の寿司とは違う方向性があり、金沢で寿司を食べる楽しさをきちんと感じられます。
鶴見大将の仕事にも大きな変化はなく、今回も安心しておまかせできました。
家族で金沢を訪れる際に、定期的に戻ってきたい店。
今回も次の予約を入れて店を後にしました。