「L’Effervescence(レフェルヴェソンス)」でディナーをいただきました。前回の訪問時に予約を取り、楽しみにしていた再訪です。

この日は冬のメニューの最終日。アルチザン野菜や定番の蕪に加え、甘鯛、鴨、チョコレートのデザートまでいただきました。

今回も料理は美しく、火入れも丁寧でした。蕪は前回よりも香ばしい仕上がりで、定番の変化も楽しめました。

一方、食事の途中で担当の方から今後の値上げについて伺いました。その話をきっかけに、自分がこの店に求めるものと、これからの価格について考える機会にもなりました。

お店について

レフェルヴェソンスは、西麻布にあるフレンチレストランです。

店内は照明を落とした落ち着いた空間。白いテーブルクロスの上に、料理の色や器の形がよく映えます。

今回も楽しみにしていたのは、アルチザンサラダと蕪。季節ごとの料理に加えて、また食べたい定番があると、次の訪問も楽しみになります。

料理の仕上げから食後のお茶まで、目の前で見せてくれる場面もありました。スタッフの説明を聞きながら、ゆっくり食事を楽しめるお店です。

シェフについて

料理を手がけるのは、生江史伸シェフです。

北海道の「ミシェル・ブラス トーヤ ジャポン」に入り、フランスの本店でも研修。その後、英国の「ザ・ファットダック」でスーシェフなどを務め、2010年にレフェルヴェソンスを立ち上げました。公式プロフィール

今回も、食材ごとの火入れが印象に残りました。蕪は表面を香ばしく、中は瑞々しく。甘鯛は皮と身で異なる食感を楽しませてくれます。

この日の料理

一献、野菜クリスプのブーケと豆腐サワークリーム

始まりは、一献と野菜クリスプのブーケ。豆腐のサワークリームを合わせたものです。

野菜をブーケに見立てた仕立てで、最初の一品から見せ方に工夫があります。

自家製キャビア、帆立、北寄貝、サザエへのリゾット

大きな蛤の器で供され、目の前で仕上げてくれます。

磯の香りに、キャビアの塩気が重なります。帆立、北寄貝、サザエを使った、魚介のリゾットでした。

じゃがいも入りフォカッチャと古代小麦入りパン

パンは、じゃがいも入りのフォカッチャと古代小麦入りの二種類です。

料理だけでなく、パンにも異なる素材を使っています。

アルチザン野菜

色鮮やかな野菜を盛り込んだ、楽しみにしていた一皿です。

一つひとつに異なる調理を加えています。甘みのあるもの、ほろ苦いもの、瑞々しいもの。口に運ぶたびに味と食感が変わります。

これだけの種類を使いながら、それぞれの違いがわかる。野菜を育てる生産者への敬意も感じる料理でした。

蕪を複雑に火を入れて、シンプルに

メニューにこう記された、シグネチャーの蕪。

今回は、いつもより表面の焼き色が目立ちました。提供時には、焦げたように見えるものの、焦げではなく、意図した仕上がりだと説明がありました。

表面は香ばしく、中は瑞々しい。蕪の甘みもしっかり感じられます。定番の料理ですが、前回との違いがありました。

甘鯛の乳清ポシェ

甘鯛には、黒芋、生海苔、縮み法蓮草、無農薬レモンを合わせています。

皮はパリッとしていて、身はしっとり。皮の香ばしさと身のやわらかさがよく合います。

乳清で火を入れるという調理法も、メニューを見て改めて確認できました。

京都産・七谷鴨をミズナラで焼いて

京都産の七谷鴨を、東京・檜原村のミズナラで焼いた一皿です。

鴨のジュに、ビーツ、根セロリ、黒トリュフを合わせています。

肉にはほどよい弾力があり、噛むほどに旨みを感じます。ソースの甘みと黒トリュフの香りが重なり、食べ応えのある料理でした。

続いて、鴨腿肉のラビオリ。鴨の端材とほしこがねとコンソメを合わせたサステナブルな一品。

アルチザンチーズ

木のボードに並べて見せてくれたチーズは六種類。今回は全種類を少しずつ切り分けていただきました。

見た目も質感も違い、選ぶ段階から楽しい。赤ワインとともに、少量ずつ食べ比べました。

アルアコ族のショコラと無農薬ネーブル

こちらでチョコレートのデザートをいただくのは初めて。この時期だけの提供だそうです。

薄いチョコレートを筒状に重ね、上にも丸い蓋をのせた形。蓋を開けると、ネーブルの果肉と白いクリームが現れます。

濃い茶色の外側と、鮮やかな果肉の色。その違いもきれいでした。

チョコレートは濃厚で、ほろ苦さと甘さのバランスがよい。

小菓子

小菓子は、草花や枝葉を添えた三つの木の器で運ばれてきました。

林檎とシナモン、落花生のフィナンシェ、ヘーゼルナッツと昆布の組み合わせなど。六種類が一人分ずつ皿に並びます。

メニューには、米粉、蓬、花梨、金木犀、琥珀糖、ショコラといった食材や菓子の名前も記されていました。小さな菓子にも、いろいろな組み合わせがあります。

杉の香りをつけた焼酎も組み合わされていました。

食後のお茶

最後には、目の前でお茶を点ててくれました。

茶碗と茶筅を使い、一服ずつ仕上げていきます。フレンチのコースの最後に、こうしてお茶をいただくのも、この店らしい締めくくりでした。

Yummies View

4.0 / 5

楽しみにしていた再訪で、今回も料理はおいしくいただきました。野菜の味の引き出し方や、蕪、甘鯛、鴨の火入れには、丁寧な仕事を感じます。

生産者への敬意や、サステナビリティを大切にする考え方にも共感しています。

少し気になったのは、食事の途中で担当の方から伺った、今後の値上げのお話です。テーブルでのプレゼンテーションにも手をかけ、その費用を価格に反映していくという趣旨でした。

目の前で料理を仕上げてくれる時間も楽しんでいます。ただ、自分が再訪したいと思う一番の理由は、料理のおいしさです。演出が充実することで価格が上がっても、それが自分にとって同じだけの満足につながるかは、少し疑問が残りました。

蕪や鴨という食材に不満があるわけではありません。そのおいしさを楽しみに来ています。ただ、伺ったように今後もう一段価格が上がるのであれば、食事全体の満足感と支払う金額が、自分の中では見合わなくなりそうだと感じました。

今回の料理には満足しています。そのうえで、これからも同じように通い続けたいか、少し考えた夜でした。