「銀座うち山」をランチで訪問しました。

予約したのは、名物の焼き胡麻豆腐と鯛茶漬けを含むランチコース。

鯛茶漬けだけをいただくランチもありますが、今回は春の食材を取り入れた料理をコースで楽しみました。

お店について

東銀座駅から歩いて数分。銀座の中心部から少し離れた、静かな一角にあります。

階段を下りた地下に店を構え、店内は白木のカウンターと個室で構成されています。

カウンターからは料理人の手元がよく見えます。店の格式はありますが、接客は気さくです。肩肘を張らずに日本料理を楽しめました。

鯛茶漬けを目当てに訪れる人が多く、ランチの予約は早い段階で埋まります。公式予約ページでは90日先まで受け付けています。

店主について

店主は内山英仁氏。

「吉祥 日比谷店」などで経験を積み、「銀座あさみ」で浅見健二氏に師事しました。2002年に銀座うち山を開業。茶懐石を軸にしながら、自身の工夫を加えた料理を提供しています。

焼き胡麻豆腐と鯛茶漬けは、長く店を代表してきた料理です。

店からは多くの料理人が独立しています。銀座周辺を中心に、その仕事を受け継ぐ店が広がっている点からも、銀座うち山の存在感が伝わります。

この日の料理

蕗の薹を入れた焼き胡麻豆腐

最初は名物の焼き胡麻豆腐。

3月限定で蕗の薹を練り込んだ仕立てです。表面には香ばしい焼き目があり、中は温かく、ねっとりとした食感。胡麻の濃さの中に蕗の薹のほろ苦さが入り、春らしい味に仕上がっていました。わさびと醤油を合わせると、甘みと香ばしさがよりはっきりします。

春の八寸

卵焼きや揚げ物、山菜などを盛り込んだ八寸。

一つひとつに異なる食感があり、少量ずつ味わえる構成です。華やかに見せながら、味付けは落ち着いています。

椀物

筍と真薯を合わせた椀物。

澄んだ出汁はやわらかな味わいです。筍の歯触りと真薯のなめらかさがよく合います。春の食材を、出汁で素直に食べさせる一椀でした。

春の小鉢

海藻や春野菜を使った小鉢が続きます。

酸味や苦味を取り入れながら、次の料理へ自然につなぐ役割を果たしていました。器にも季節感があり、コース全体に変化を与えています。

お造り

数種類の魚介を、それぞれ異なる切り方と薬味でいただきます。

身の厚さや皮目の扱いが変えられており、食感の違いが明確です。脂のある魚も重たくならず、春野菜の青い香りがよいアクセントになっていました。

一口の寿司

コースの途中に、味を含ませた魚介を使った小さな寿司が出されます。

一口サイズながら、酢飯とのバランスがよく、印象に残る一品でした。

鯛のあら炊き

鯛のあらを、春の野菜とともに炊いた料理。

身はやわらかく、骨の周りにある旨味をしっかり味わえます。煮汁は濃すぎず、鯛の持つ味を残した仕上がりでした。

鯛茶漬け

締めは待っていた鯛茶漬け。

炊き立てのご飯と、厚めに切った鯛が別々に供されます。鯛には胡麻とナッツの風味を感じる、濃厚な胡麻だれが絡んでいます。

最初の一杯は、鯛をご飯にのせてそのままいただきました。弾力のある鯛と、甘みのあるご飯。濃いめの胡麻だれがよく合います。

次は温かいお茶を注いで鯛茶漬けに。お茶によって胡麻だれがほどけ、味が一段軽くなります。

同じ鯛とご飯でも、食べ方で印象が変わります。何杯でも食べられそうになる、よく考えられた締めでした。

葛切り

葛切りを作る様子をカウンターで見せてくれます。黒蜜との相性も抜群で、コース全体を締めくくるにふさわしい完成度でした。

Yummies View

4.5 / 5

銀座うち山のランチは、名物の鯛茶漬けだけで終わりません。

焼き胡麻豆腐から椀物、八寸、造り、炊き合わせまで、春の食材を使った日本料理を一通り楽しめます。

料理にはしっかりとした技術があります。一方で、店の雰囲気は堅すぎません。カウンターでは料理人との会話もあり、銀座の日本料理を身近に感じられました。

予約が取りにくいのも納得です。季節を変えて、もう一度訪れたいランチでした。