長崎滞在中の夜に「堂山」を初訪問。
地元の魚介や旬の野菜を中心に、素材の持ち味を丁寧に引き出す日本料理店です。
料理の質はもちろん、居心地の良さも印象に残りました。食事を終える頃には「また来たい」と自然に思える一軒でした。
お店について
長崎市鍛冶屋町、崇福寺駅から徒歩約2分。
店内はカウンターが中心で、料理を仕上げる様子を間近で見ることができます。
木を基調とした落ち着いた空間。肩肘張ることなく、ゆっくりと食事を楽しめました。

店主について
訪問時69歳の大将が、奥様と二人で営む店です。
大将はとても話し好き。料理の説明からさまざまな話題まで、客との会話を楽しませてくれます。距離感もほどよく、初訪問でも居心地の良さを感じました。
料理は対照的に実直です。出汁や火入れを大切にし、素材の持ち味を素直に引き出しています。
料理への真摯な姿勢と、気さくな人柄が印象に残りました。
この日のおまかせ
この日の料理はカウンター目の前の書にありました。

筍の炊きもの
春らしい筍の炊きものからスタート。
出汁がほどよく含まれ、筍の香りと歯触りが楽しめます。
味付けは控えめで、素材そのものの風味を大切にした一品です。

あら(くえ)の漬汁
長崎で「あら」と呼ばれる、くえを使った一品。
脂のある魚ですが、重たさを感じさせない仕立てです。
魚の旨味を生かしながら、後味はすっきりしています。

桜鯛(塩)
春の桜鯛を塩でいただきます。
調味を最小限に抑えたことで、鯛の身の甘みと質の良さがよく伝わってきます。
素材に自信があるからこその、シンプルな提供方法です。


鰆(はっさく・ねぎ)
鰆には、はっさくとねぎを合わせています。
鰆の脂に、はっさくのほろ苦さと酸味がよく合います。ねぎの香りも加わり、食べ進めても重たさを感じません。
組み合わせの良さが印象に残った一皿です。


長崎和牛
大ぶりに切られた長崎和牛。
火入れはシンプルで、肉の旨味と脂のおいしさが素直に伝わってきます。
魚介が中心のコースの中で、味わいに変化をつける一品でした。






白砂エビの天ぷら
白砂エビを軽い衣で揚げた天ぷら。
衣が主張しすぎず、エビの甘みがしっかり感じられます。
揚げ物でありながら、軽やかな仕上がりです。

穴子の天ぷら

アスパラの天ぷら
続いてアスパラの天ぷら。
季節の野菜をシンプルに楽しむ一品です。
エビとは異なる野菜の甘みや食感を楽しめます。

対馬穴子のご飯
この日の料理で、特に印象に残ったのが対馬産の穴子を使ったご飯です。
穴子の旨味がご飯にしっかりと移り、一口ごとに味わいが広がります。
旨味は十分にありながら、重たさはありません。
最後までおいしく食べられる、よくできた締めの一品でした。
味噌汁との相性もよく、食事の終わりまで満足できました。



甘夏ゼリー
最後は甘夏のゼリー。
甘夏らしい爽やかな酸味と、ほどよい苦みが食後に心地よく感じられます。
穴子ご飯の余韻を残しながら、すっきりと食事を終えることができました。

この日いただいたお酒
長崎県平戸市の福田酒造が醸す日本酒「福海」をいただきました。
長崎の地酒を、地元の魚介や季節の料理と一緒に楽しめるのも、この店の魅力です。


奇をてらわず、素材の持ち味を丁寧に引き出す日本料理。
特に印象に残ったのは、はっさくとねぎを合わせた鰆、そして締めの対馬穴子のご飯でした。
魚介、肉、天ぷら、ご飯と続くコースは、味わいの変化もあり、最後まで飽きずに楽しめます。
料理の完成度に加え、接客も心地よい。長崎を再訪する際には、また足を運びたい一軒です。