赤坂見附の「きざ㐂」を初訪問しました。
以前から気になっていた鮨店です。OMAKASEから予約しました。
お店について
赤坂見附駅から歩いて数分。飲食店が集まるビルの5階にあります。
店内は檜を使った一直線のカウンターが中心です。訪問時は8席のみでした。
内装は洗練されていますが、張りつめた感じはありません。落ち着いて握りを楽しめる空間です。
今回は握りを中心としたコースをいただきました。
店主に伺うと、つまみを重ねたコースでは一人5万円、6万円という価格になってしまうとのこと。握りに絞ることで、より幅広い人に鮨を楽しんでもらいたいと話されていました。
訪問時は海外からの予約を広く受け入れていないとのことでした。予約客を中心とした静かな雰囲気が保たれている点も好印象でした。

店主について
店主は木﨑倫氏です。
「銀座 久兵衛」や「鮨とかみ」で経験を積み、28歳で独立しました。
握りの形やシャリの温度まで、仕事は細かく整っています。それでいて、鮨の印象は端正にまとまりすぎていません。
酢を強めに効かせたシャリや山葵の使い方からも、味をはっきり出そうとする姿勢が伝わってきました。
一貫ずつ淡々と握りながら、コースの意図や価格について率直に話してくれる距離感も、この店の魅力だと思います。

この日のおまかせ
コースは鮪の手巻きから始まりました。

香りのよい海苔に、鮪と赤酢の効いたシャリを合わせています。口に入れた瞬間から味が明確です。海苔の香りも長く残ります。
最初の一品で、「ここは当たりかもしれない」と思わせてくれました。
続いて、鮪の握りへ。
赤身は鮪そのものの旨味がよく分かります。酢を強めに効かせたシャリにも負けません。

中トロは脂の甘さとシャリの酸味のバランスがよく、鮪の中では特に印象に残りました。

大トロは脂が濃厚です。それでも酢と山葵が全体を引き締め、重たさを残しません。

シャリはやや硬めに炊かれ、粒立ちがはっきりしています。口の中でほどけるというより、ネタと一緒に噛んで味わうタイプです。
山葵も存在感があります。最初から強く主張するのではなく、少し遅れて辛味が出てきます。脂のある鮪との相性は特によく感じました。
鮪の後は、小肌、真鯛、さより、墨烏賊、春子鯛、赤貝と続きました。






光物や白身を交えながら、江戸前らしい仕事を見せていきます。鮪だけで押し切らず、ネタごとの食感や味の違いを楽しめる流れでした。
後半には〆鯖、北海シマエビの昆布締め、車海老が登場しました。





昆布締めや酢締め、燻製など、ネタに合わせて手の入れ方を変えています。特に軽く燻した鯖は、脂の旨味に香りが重なり、印象に残る一貫でした。
終盤は穴子のタレ焼きです。香ばしいタレの風味が加わり、コースをしっかり締めます。最後に魚のアラを使った味噌汁をいただきました。







鮪、シャリ、山葵の味を明確に出した鮨でした。
赤酢を強めに感じるシャリは好みが分かれるかもしれません。今回の鮪にはよく合っていました。
つまみを増やしてコース価格を上げるのではなく、握りを主役にする考え方にも納得感があります。食べたいものと支払う価格の関係が分かりやすい店です。
店内の雰囲気や握りを出すテンポもよく、最後まで集中して鮨を楽しめました。
空間、味、コースの組み立てに満足できた初訪問でした。
食事を終えた後、その場で次回の予約をお願いしました。再訪が楽しみです。