西麻布のイタリアン「merachi(メラキ)」を訪問しました。
食べログのイタリアン百名店に選ばれ、ミシュランガイドにも掲載されているお店です。以前から杉本功輔シェフの評判を聞いており、楽しみにしていました。
お店について
西麻布交差点から少し入った裏路地にあるイタリアン。2021年12月にオープンしました。
店内はカウンター10席のみ。こじんまりとしたアットホームな雰囲気です。オープンキッチンを囲む造りで、料理人との距離が近いことも、この店の魅力の一つだと思います。
料理は南イタリアの郷土料理をベースに、日本の食材や独自の調理法を取り入れたスタイル。ミシュランガイドでも、その独自性が紹介されています。


シェフについて
オーナーシェフは杉本功輔氏。
料理人になる前は犬の訓練士として働いていたという、少し珍しい経歴の持ち主です。
その後、東京のイタリアンで料理の世界に入り、イタリアなど海外で経験を積みました。
2021年に西麻布でmerachiを開業。イタリアの郷土料理を大切にしながら、日本の食材を使った独自の料理を提供しています。
シェフ自身がnoteで、料理人になるまでの経緯や店への思いを綴っています。
この日の料理
この日はコース料理をいただきました。
どの料理も丁寧に作られており、前評判どおりの実力を感じました。
前菜から2種類のパスタ、選べるメイン料理、デザートまで。イタリア料理の伝統的な料理を軸に、食材の組み合わせに工夫が見られる構成です。

メジマグロカルパッチョ


新玉ねぎ パンナコッタ
本来はデザートとして知られるパンナコッタを、野菜の前菜として仕立てた料理です。新玉ねぎの甘みを生かした一皿です。

木更津 竹島さんのボッコンチーニ 生ハム セミドライトマト
千葉県木更津の竹島さんが手掛けるボッコンチーニに、生ハムとセミドライトマトを合わせた前菜。
ボッコンチーニは、小さな丸いモッツァレラチーズ。チーズのミルク感、生ハムの塩気、トマトの旨みを組み合わせた、イタリア料理らしい一品です。


五島列島 クエ フリット アグロドルチェ
五島列島産のクエを使ったフリット。アグロドルチェは、イタリア料理で使われる甘酸っぱい味付けのこと。淡泊ながら旨みのあるクエに、甘みと酸味を合わせた料理です。

スパゲッティ コラトゥーラ 桜えび
メイン前に提供された2種類のパスタの一皿目。コラトゥーラは、イタリア南部で使われる魚醤です。桜えびと組み合わせることで、魚介の旨みを生かしたスパゲッティに仕上げています。シンプルな組み合わせですが、こうした料理にこそパスタの技術が表れるように思います。

ニョッケッティ・サルディ 子羊ラグーソース
ニョッケッティ・サルディは、サルデーニャ島の伝統的なショートパスタ。名前にニョッキとありますが、ジャガイモではなく小麦粉を使ったパスタです。もちもちとした弾力がありながら、表面はつるりとした食感。子羊のラグーソースとの組み合わせも良く、今回のコースで最も気に入った料理でした。

メイン料理
メインは以下の4種類から選ぶ構成でした。足利マール牛 季節の野菜ローストを選択しました。

デザート

カンノーロ
シチリアを代表する伝統菓子のカンノーロを最後にいただきました。筒状に揚げた生地にクリームを詰めたデザートです。

この日いただいたお酒


Yummies View
料理そのものは、前評判どおりの完成度でした。
特に2種類のパスタは印象的で、食材の組み合わせだけでなく、パスタの食感やソースの仕上がりにも技術を感じました。
一方で、今回は食事をする環境に少し恵まれませんでした。
案内された席の片側には、お着物姿の女性を含む同伴のお客様。反対側には、カウンターに大きく身を預け、こちらに背を向けるような姿勢の女性客がいました。
その間に座ることになり、落ち着いて食事を楽しむには少し気になる環境でした。
ソムリエの方は別のお客様への対応に忙しく、シェフも途中から来店された海外のお客様への対応に時間を割かれていました。
結果として、シェフともソムリエの方とも、ほとんど会話をすることなく食事を終えました。
カウンターのレストランを数多く訪れていますが、こうした経験は初めてでした。
もちろん、すべてのお客様に同じように接することは難しいと思います。ただ、10席ほどの小さなレストランでは、料理を出すだけでなく、お客様全体への目配りも大切だと感じます。
カウンターのレストランは、料理だけでなく、その場で過ごす時間も含めて評価が決まるものだと思います。
料理が良かっただけに、その点は少し残念でした。
席の位置やその日の客層によって、印象は変わるのでしょう。別の日に訪れれば、また違った体験ができるかもしれません。






