池袋の「かぶと」を初訪問しました。うなぎ好きの間ではよく知られた名店です。
ここでいただくのは、一般的なうな重ではありません。頭、ヒレ、肝、レバー、尻尾。うなぎを隅から隅まで食べていくコースです。目の前で生きたうなぎを裂き、串を打ち、炭火で焼いていく。
その一連の流れをカウンター越しに見ながら、焼き上がった部位を順番にいただきます。
約3時間。うなぎを食べるだけではなく、その構造や味の違いまで知ることができる体験でした。
お店について
池袋駅北口から歩いて5、6分ほど。雑居ビルの1階にあります。
外観も店内も昔ながらの雰囲気です。年季の入ったカウンターの向こうが、そのまま調理場になっています。
うなぎを裂くところからすべて目の前。包丁を入れ、部位を分け、串を打つ。そこから炭火で焼き上げていきます。
料理を待つ時間も含めて、この店の楽しさだと思います。

店主について
現在の店主は藤森公将さん。
先代の岩井和雄さんから店を引き継ぎ、かぶとの「裂きたて・焼きたて」のスタイルを守っています。
この店では、店主の仕事を目の前で見ることができます。
生きたうなぎを取り出し、その場で裂く。部位ごとに分け、串を打ち、順番に炭火へ。包丁を入れてから皿にのるまでの距離がとても近い。
実際に見ていると、「裂きたて・焼きたて」という言葉の意味がよく分かります。うなぎの状態を見ながら手際よく仕事を進め、合間には料理や部位について説明してくれます。

この日の料理
この日は、うなぎのさまざまな部位を順番にいただきました。



福井産の有機トマトが良い箸休めになりました。





白焼き
後半は白焼きと蒲焼きです。この日の白焼きは、静岡と富山の養殖うなぎを食べ比べました。
塩で食べると、身質や脂の違いがよく分かります。皮目には炭の香りが入り、表面は香ばしく、中はふっくらというより少し締まった食感です。

蒲焼き
蒲焼きは一尾ずつ大きな皿で供されます。タレは甘さが強すぎず、炭の香りをきちんと残した仕上がりでした。

蒲焼きと白ご飯
ここで白ごはんが出てきます。蒲焼きを自分でごはんにのせて食べる。


コースの中でいろいろな部位を味わってきましたが、この一杯が一番ホッとしました。
頭、ヒレ、肝、レバー、尻尾まで食べたあとに、最後は蒲焼きと白いごはん。やはり私は、この組み合わせが好きなのだと思います。
肝吸をいただいてコースは終了。

約3時間、うなぎを最初から最後まで食べ切る体験でした。
3時間のコース。
頭から尻尾まで、一匹のうなぎをここまで細かく味わう機会はなかなかありません。
裂くところから始まり、部位ごとに串を打ち、焼いていく。
その過程まで含めて楽しむ店です。
まさに「うなぎの教室」のような3時間でした。
一方で、自分の好みもはっきりしました。
私はやはり、蒸してから焼いた、ふっくらとした関東風のうなぎをお重で食べる方が好きです。
それでも、かぶとでしかできない体験があります。
最後に蒲焼きを白いごはんにのせて食べた瞬間、少し安心しました。
いろいろ食べても、結局ここに戻る。